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「リスク許容型節約生活」のすすめ

ECショップオーナー兼大家さんの視点から賢い消費と節約について考えます。

【持家 vs 借家】①持家の購入費用に関して

シュオットです。

住居費は家計の中でも1位、2位を争う費用であり、人生の3大費用の筆頭でもあります。持家と借家のどちらがお得かは、昔からさんざん議論されて来ましたが、いまだに決着をみません。

【持家 vs 借家】シリーズでは、「どちらがお得か?」という視点を捨て、「〇〇万円の家に住むなら家賃はいくら位が妥当か?」という視点から持家と借家について考えてみます。

まず必要なのは、「持家を購入する場合に、買ってから手放すまでに通算でいくらかかるか?」を算定することです。一定の期間保有した物件の総価格から月ごとの家賃はいくらが妥当かを考えます。その手始めとして、購入時にかかる住宅関連の費用をまとめてみます。

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自宅を購入する場合に”費用”と聞くと、多くの方は土地代と建物代を思い浮かべることかと思います。しかし、実際に物件を購入する際には多くの手数料や税金が上乗せとなり、当初予定していた金額を大きく上回ってしまう場合も少なくありません。ここでは、自宅の購入する際に必要な費用について考えて行きます。

 

 自宅を購入するのに必要な経費(土地・建物代を除く):

 

印紙税・登録免許税・不動産取得税

印紙税

印紙税法に基づき課税文書に対して課せられる税金です。不動産取引の際には、不動産売買契約書とローンの組む際の金銭消費貸借契約書に対して必要となります。借地の場合は土地賃貸契約書に対しても必要となります。

上記の内、不動産売買契約書は”不動産の譲渡に関する契約書”に該当しており、平成26年4月1日~平成30年3月31日までは軽減措置がなされています。その他の契約書に対しては契約金額に応じて一律に税金が課せられます。税率は下表のようになります。

 

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例)

物件価格:4000万円

ローン金額:3200万円

不動産売買契約書にかかる印紙税:2万円(軽減税率なら1万円)

金銭消費貸借契約書にかかる印紙税:2万円

計:4万円(軽減税率なら3万円)

 

登録免許税

登録免許税法に基づき登記、登録、特許、免許、認可などに課せられる税金です。不動産取引の際には、土地の所有権移転登記、建物の所有権移転登記ないし所有権保存登記、ローンを設定した際の抵当権設定登記に対して必要となります。

課税標準は、市町村における固定資産課税台帳に記載されている固定資産税評価額か、記載がない場合は固定資産税と共通の固定資産評価基準によって決まる価格となります。

住宅用家屋には軽減税率が設定されており、【床面積50㎡以上】【個人所有】【自宅居住用】で取得後1年以内に登記を受ける場合に適応となります。軽減税率は平成29年3月31日までであり注意が必要です。税率は下表のようになります。

 

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例)

物件価格:4000万円

固定資産税評価額:

土地 1400万円

建物 1400万円

ローン金額:3200万円

  

所有権移転登記登録免許税:2800 × 0.02 = 56万円(軽減税率なら25.2万円)

抵当権設定登記登録免許税:3200 × 0.004 = 12.8万円(軽減税率なら4.2万円)

計:68.8万円(軽減税率なら29.4万円)

 

不動産取得税

地方税法に基づき不動産の取得に対して課される税金です。不動産が存在する都道府県が取得者に対して課す税金であり、不動産の所有権移転に対して課される流通税となります。所有権の取得後に契約が解除された場合でも、所有権移転が生じていれば課税対象となります。

課税標準は、市町村における固定資産課税台帳に記載されている固定資産税評価額か、記載がない場合は固定資産税と共通の固定資産評価基準によって決まる価格となります。

 

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土地と建物それぞれに軽減税率が設定されており、条件は以下のようになります。

*土地の場合:

取得してから3年以内(中古住宅の場合は1年以内)に住宅が新築(中古住宅の場合は取得)されていること、もしくは住宅を購入して1年以内に土地を取得することが条件。

① 45,000円(税額が45,000円未満である場合はその額)

② 土地1㎡当たりの価格 × 住宅の床面積の2倍(上限200㎡)× 税率(3%)

いずれか額の高い方が税額から控除となります。

平成30年3月31日までは土地価格に1/2を乗じる。)

*建物の場合:

【自己の居住用である】【床面積50㎡~240㎡】【新耐震基準に適合している】を満たすことが条件。

控除額は平成9年4月1日以降に建てられた物件に関しては1200万円(下表参照)で築年数に応じて減額。

税額は(固定資産税評価額-控除額)× 3.0%

となります。

 

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例)

物件価格:4000万円

固定資産税評価額:

土地・140㎡ 1400万円

建物・110㎡ 1400万円

 

土地の取得税:1400 × 0.03 -(1400 ÷ 140 × 200 × 0.03)= ▲18万円(0円)

建物の取得税:(1400 - 1200) × 0.03 = 6万円

計 6万円

 

司法書士費用

司法書士費用は登記の際に必要となります。住居を購入する際には土地及び建物の登記を行い、中古物件の場合は土地と建物の売買による所有権移転登記、新築物件の場合は土地所有権移転登記と建物の保存登記が必要となります。ローンを組む場合は抵当権の設定登記も必要です。これらの登記には登録免許税の他に司法書士費用がかかります。

司法書士費用は登記を行う地域や依頼する事務所により開きがあり、2013年に日本司法書士連合会が行った報酬に関するアンケート調査で各地区ごとの低額者平均、全国平均、高額者平均報酬が公表されています。報酬は金額1000万円とした額となります。

 

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例)

関東地区新築一戸建て

価格4000万円

固定資産税評価額 

土地:1000万円 

建物:1500万円

借入金:3200万円

 

土地の所有権移転登記司法書士費用:44,417円 × 金額に応じた増加分

建物の所有権保存登記司法書士費用:22,152円 × 金額に応じた増加分

抵当権設定登記司法書士費用:35,029円 × 金額に応じた増加分  

 

上表は固定資産税評価額1000万円、抵当権1000万円と仮定した時の金額であり、評価額、抵当金額に応じた上乗せが必要となります。一般に司法書士費用は10~15万円程度といわれており、今回のケースでは12万円と算定します。

 

保険料

住宅購入する際に大多数の方は保険を掛けることになろうかと思います。その際に基本となるのは火災保険であり、風災、水災、落雷など様々な損害に対応している場合がほとんどです。火災保険のほかには、家財保険地震保険がありますが、火災保険を基本として、補償を付け加えていく格好です。

 保険会社は多数ありますが、見積もりを出すなら一括サービスが便利です。

 例)

保険会社:大手A社

住居:木造省令準耐火建物

所在地:関東地区

保険金額:建物2500万円・家財300万円・地震保険付帯

 

見積もり保険料:初年度45,620円

 

 

不動産仲介手数料

不動産仲介手数料は不動産の売買・賃貸契約が成立したときに不動産仲介業者に支払う手数料です。仲介業者を介した場合にのみ必要なり契約が成立した時点で支払い義務が生じます。

住宅メーカーで一軒家を新築する場合や新築マンションを購入する場合は、仲介手数料を必要としない場合が多いです。これは、売主からの直接購入の形をとっていたり、代理販売や仲介販売の形をとっている場合でも仲介手数料を売主に請求しているためです。中古物件の場合は仲介業者を介しての契約が大部分を占め手数料は買主負担とするため、仲介手数料が生じます。

仲介業務で発生する費用に関しては原則的に売主・買主に請求することはありません。例えば、物件の広告費用や内覧に関係する交通費などの費用は、仲介手数料に含まれるものであり、契約成立までは請求出来ません。売主・買主の特別な依頼に基づき発生した費用については、実費に限り請求することが認められています。売主の希望で実施した特別な広告宣伝の費用や遠隔地の購入希望者との交渉のための出張旅費などについては、仲介手数料とは別に請求することができます。

不動産仲介業者が受け取ることのできる仲介手数料は、宅地建物取引業法により上限額が決められています。上限額を超える額を受け取った場合は法令違反となります。仲介手数料は売主ないし買主の一方のみに請求されます。上限額の求め方は速算式が便利です。

〇 不動産仲介手数料上限額: 取引額の3%+6万円(税抜)

 

例)

物件価格:4000万円

仲介手数料:上限額

 

不動産仲介手数料:(4000 × 0.03 + 6) × 1.08 = 136万円

 

ローン保証料・保証事務手数料・団体信用生命保険

多くの方は自宅を購入される際にローンを組むと思います。ローンに関連した費用には金利の他に住宅ローン保証料、保証事務手数料、団体信用生命保険料があり、購入時の費用としてローンを組む時点で十分に検討しておく必要があります。

ローン保証料・保証事務手数料

住宅ローンを組む際に、貸手となる金融機関は貸し倒れのリスクに対応するために、信用保証を付けることを条件としています。信用保証とは信用保証会社による連帯保証であり、住宅ローンの返済が滞った場合に連帯保証人である信用保証会社が住宅ローンの返済を肩代わりして、肩代わりした返済を債務として借手に求めることになります。ローンの保証料とは、住宅ローンの借手に連帯保証人としての保証を付与するための手数料といえます。保証事務手数料は保証契約を結ぶ際の手数料となります。

ほとんどの住宅ローン契約で信用保証が必要となり、保証料は借入金額、返済期間、借手の信用度で決まります。住宅金融支援機構によるフラット35は保証料を必要としない点が大きく異なります。

保証料の支払い方法は、借入時に一括で支払う一括方式と金利に保証料分を上乗せして支払う分割方式があります。一括方式の場合は契約時に保証料を支払い、支払額は返済期間と借入金額で決まります。分割方式の場合、上乗せとなる金利は0.2~0.3%程度です。3000万円の借入額で元利均等返済・期間35年間とすると、分割方式の場合は上乗せ金利0.2%としても120万程度の保証料となります。一括方式の場合は合計でみた保証料は分割方式よりも低くなるように設定されており、前述の条件で概ね60~70万程度に設定されています。

  • 一括支払の場合、保証金は借入金1000万円あたり15~20万円程度。
  • 金利上乗せの場合、保証金分の上乗せは0.2~0.3%程度。

保証事務手数料は住宅ローンであれば一契約あたり3万円程度に設定されているケースが多く、投資用物件では5~10万程度と住宅ローンよりも高めに設定されています。借入金額ではなく、契約あたりの価格設定となっている場合がほとんどです。

  • 保証事務手数料は住宅ローンの場合、借入額によらず一件3万円程度。

注意点として、信用保証会社は返済出来なくなった場合に保証を肩代わりしてくれますが、借手の債務を引き受けてくれるわけではなく、後で請求が来ますので注意が必要です。日本においては、借手が信用保証会社を指定しており、借手が自由に保証会社を選択することは出来ません。ローンを組成する際に最も大きな費用となるのが保証料であり、金利だけではなく保証料を含めた全体の費用を意識して決める必要があります。

例)

金融機関:大手B社

借入金:3000万円 

返済期間:35年間

 

保証料(一括支払い):618,420円

保証事務手数料:32,400円

 

団体信用生命保険

団体信用生命保険(団信保険料)とは、住宅ローンの返済中に、ローン契約者が死亡または高度障害となり返済が困難となった場合に、生命保険会社が、住宅ローン残高に相当する保険金を債権者に支払い完済する制度です。ローン契約の際に団信への加入が基本的に必須となっていますが、多くの場合、団信保険料は貸手が負担しており、借手の負担はほとんどありません。フラット35は保証料が不要ですが、団信保険料は借手負担となっています。

団信保険料のシュミレーションは住宅金融支援機構のシュミレーターが便利です。

例)

ローン型:フラット35

借入金:3000万円

返済期間:35年間

金利:1.1%

 

団信保険料(3大疾病特約あり):

初年度 164,000円

通算 3,118,400円

 

 

以上、住宅の購入時にかかる費用は多岐にわたり、物件価格の3~10%もの額となります。ローン金利返済分などを加えた通算額で見たときも、決して少なくない額となるため、慎重に検討していく必要があります。